神経のある歯、ない歯
2021年11月24日
虫歯や怪我、様々な理由で歯の神経を取らないといけない事がありますね。
根管治療と呼ばれる歯科におけるポピュラーな治療ですが、根管治療後の歯について今回はお話をしたいと思います。
通常、歯には「歯髄」と呼ばれる神経と毛細血管を含む組織があります。
しかし、虫歯や外傷などを理由に痛覚を取るために歯髄を除去する事があります。これが「抜髄(根管治療の1つ)」と呼ばれる治療です。
抜髄後の歯は歯自体の痛覚は消失します。(歯の外には歯根膜と呼ばれる神経を含む組織がありますので「噛んで痛い」などの特定の痛覚は残ります。)
痛覚が消失するため痛かった歯の延命を図れますが、やはりリスクはあります。
それが「歯の破折」という現象です。
歯は歯髄の血管より水分が供給されています。そのため「生枝」のようなしなりが多少あるように出来ています。

しかし、「抜髄」をしてしまうとその水分供給が絶たれるため、歯はだんだんとその弾性を失い「枯枝」のように変化します。
そして、ふと硬いモノを噛んだ拍子に「歯が破折=折れる」事があります。

歯髄がある歯で「歯の破折」が起きることは稀です。しかし「抜髄」された歯は残念ながら折れてしまう事は臨床経験上、そこそこ起きてしまう現象です。
歯が破折した場合、程度が悪いとそのまま残す事が困難な状況になり、抜歯という事もあり得ます。
このようなことにならない為に、まずは虫歯による「抜髄」を受けないで済む為の定期検診を、また「抜髄」した歯で硬いものを積極的に噛まないようにするなど日頃の心掛けがとても大切です。
根管治療のコラム
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