歯を削る機械
2021年9月17日
更新がすっかり途絶えてしまっていたのですが、久しぶりに投稿を。
皆様、歯を削られる際に「キーン」と高い音がする機械と「ガタガタ」と粗めの振動がする機械があるのにお気付きでしょうか?
歯科では主に2つの歯を削る機械を使います。(細かく言えばもっと種類はあるのですが、ややこしくなるので割愛します)
下の写真がその2つになります。
ぱっと見、そっくりですよね。
左の「タービン」というのが「キーン」と鳴る機械。
右の「コントラエンジン」というのが「ガタガタ」する機械です。
この二つの大きな違いは駆動システムです。
「タービン」は圧縮空気にて先端の切削する棒を回します。
「コントラエンジン」はモーター駆動です。
この2つの使い分け方ですが、まず「タービン」は例えるとサラブレッド、「コントラエンジン」は水牛です。
「タービン」は回転速度が早く、装着したダイヤモンド棒で切削する機械です。高速回転するダイヤモンドにより主に歯のエナメル質を削るのが得意です。しかし、サラブレッド同様パワー(トルク)があまりありません。そのため象牙質のようにやや弾性のある組織を削るのは不得意です。
「コントラエンジン」はモーター駆動なので回転速度は「タービン」に劣りますが、力持ちです。そのため虫歯になり粘り気が出てしまった象牙質をパワフルに削れます。逆にガラスに近い組成のエナメル質は綺麗に削るのが不得意です。
このように機械の特徴や歯の組織の特性を踏まえて削る機械を我々は使い分けています。
「タービン」の「キーン」とする音が苦手な患者様も多いかと思いますが、素晴らしい文明の利器であるとご理解頂けると幸いです。
※もちろん虫歯にならないのが一番ですので、しっかり定期検診などで虫歯予防しましょう!
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