詰め物のお話
2019年12月4日
今日は少し小難しい話を書こうと思います。お口に入っている様々な詰め物のうち保険で作れる金属の詰め物(銀歯)について。

銀歯については沢山語れる項目があるのですが、本日は銀歯が出来るまでの工程を手短にお伝え出来ればと思います。
まず、虫歯の歯を銀歯の形に削り、型をとります。患者様が目撃するのはここまでかと思います。
その後の工程は
①型を取ったものに石膏を流します。
そうすると患者様の歯とそっくりの模型が出来上がります。歯科医院がするお仕事は一旦ここまで。ここからは技工士さんの出番です。
②技工士さんは模型をまず、加工しやすように台付けをしたり、患部の歯だけ外れるように分割したりします。(私も大学病院にいた頃は自分で銀歯を作ってみようと試みましたが、まずこの模型の下準備で時間がかかってしまい苦労しました)
下準備が終わったら、銀歯型に凹んでいる患部に今度はワックスを流し込みます。ワックスアップと呼ばれる作業です。ロウで歯の銀歯の形を作るのです。

③そして、出来上がったワックスだけを今度は埋没材と呼ばれる石膏の一種に埋め込んで鋳造していきます。
④鋳造したての銀歯は高熱により酸化し真っ黒です。それをピカピカになるまで磨いて技工士さんから病院に納品されます。
こんな工程を経て届いた銀歯を今度はお口に合わせていきます。歯の感覚は非常に繊細で髪の毛一本でもきつく感じたり、高く感じるので最終調整は患者様のお口で実際に調整する必要があります。
きつさも高さも調整が終わってようやく患者様の歯にセットできます。
最近はその見栄えの悪さから敬遠されがちな銀歯ですが、このようにオーダーメイドのアクセサリー並みの手間と真心で作られているということが少しでも伝わればと思います。(もちろん白い詰め物も工程の違いこそはあれ、同じような手間暇を経て完成してます。)
当医院の虫歯治療のご案内です。ご参照ください。↓