歯がしみるメカニズム
2019年11月5日
今日は歯がしみるのメカニズムについてのお話をしたいと思います。
冷たいものを食べるとキーンと歯が痛くなることがありますね。それが辛くて、歯医者に行けば、虫歯か知覚過敏だと診断されることが多いかと思います。
しかし、そもそも何故歯はしみるのか不思議になりませんか?
実は歯がしみて痛くなるメカニズムはいまだにハッキリとしていないのです。もちろん、それらしい学説は何種類かあるのですが、完璧に説明がつくものがないのです。
歯の中には歯髄と呼ばれる神経組織があり、歯の痛みはこの歯髄は脳に伝えているのですが、この歯髄に刺激が伝わるメカニズムが未だに解明されていないのです。
少し話が逸れますが、痛覚というのは大きく分けて2つあります。足を何かにぶつけた時に最初にくる鋭い強い痛み、そしてしばらくしてジンジンとして伝わる鈍痛。前者はA δ線維、後者はC繊維と呼ばれる違う神経の層が担当しているのですが、歯髄にはA δ線維しかないのです。
つまり、歯の痛みは常に打撃が加わっているような強い痛みが走るのです。痛いはずですね。
お話しを戻しましょう。歯髄に歯への刺激が伝わるメカニズムの説として挙げられているのが、
① 象牙細管内神経分布説
② 象牙芽細胞受容器説
③ 動水力学説
④ 知覚受容複合体説
この4つになるのですが、一番有力なのが③の動水力学説です。象牙質に加えられたさまざまな刺激形態が、象牙質細管の内溶液の移動を起こし、象牙細管内に入り込んでいる知覚神経線維を刺激しているという説です。しかし、これも完璧に説明がつくわけではないみたいでして、真相はこれからの研究で明らかになることでしょう。

令和の時代になっても未だに歯が何故しみるのか分からないなんて、人体は本当に神秘で溢れていますね。