歯の麻酔
2019年9月24日
歯を抜くとき、歯を削るとき、歯医者では麻酔をかけます。カルテ用語では浸潤麻酔と言います。
浸潤。書いて字の通り、歯科の麻酔は浸潤つまり染み込ませる形で効き目を出す麻酔の仕方をします。(他の麻酔の方法もあるのですが、99%こちらの浸潤麻酔で治療をします。)
染み込ませるとは、つまりどういうことか解説していきたいと思います。

上の図が浸潤麻酔のイメージ図になります。注射をした際の麻酔薬は粘膜と骨の間に貯留されます。そこから徐々に骨に染み込み、歯の根の先にある血管から歯の神経へと運ばれます。
そのため、下顎の奥歯など骨が硬くて分厚い部分は麻酔が効きにくい傾向にあります。
また、麻酔薬は炎症が起きている部位では麻酔効果が出ない化学式に変化してしまう性質があります。(炎症が起きるとそこの部位が局所的に酸性に傾くため、麻酔薬が変質してしまうのです。)
炎症があるから痛いのに麻酔が効かないので、患者様も術者も大変苦労します。
そんな時は一度、薬で炎症を落ち着かせてから処置をすることも多々あります。
以上が簡単にではありましたが、歯科で用いる局所麻酔の仕組みでした。